PS3が抱える最大の問題

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 野安は、一歩足を踏み外せばゲームオタクになってしまうところを、さらに二歩三歩四歩……と足を踏み外し続け、ゲームに関する物書きになりました。こんな人間にとっては、ゲーム機の価格なんて、どうでもいいのです。7万円だろうが10万円だろうが、「その値段に見合うだけの面白さがある!」と判断できるのであれば、迷わず買うんですよ。


 もちろん「高すぎるよ!」と悪態はつくでしょう。でも、悪態をつきながらも、「こんなに面白いゲームができるんだから、買うしかないじゃん」と笑い、たぶん発売日初日に店頭に向かうのです。野安にかぎらず、ゲームライターってのは、そういう人種です。


 さて。E3には、そんな人種であるゲームライターが、大量に送り込まれていました。にもかかわらず、「高すぎるけど、こんなに面白いゲームができるんだから、買うしかない!」という声が、ほとんど聞こえてこないのですね。


 じつは、これこそが、今回のE3関連報道の、最大のポイントです。


 はっきり言いましょう。現在のPS3が抱える最大の問題は、「PS3ならではの面白そうなソフトが、早い時期に登場してきそうな予感」が、きわめて希薄なことなんです。実際にE3に行った人たちに話を聞くかぎり、多くの人たちが、展示されていたソフトの開発度が、まだまだ低いのではないか? という大きな懸念を抱いたまま帰国しています。


 だからこそ、「こんなに面白いゲームができるんだから、高くてもオレは買うよ!」という叫びが聞こえてくるような記事が、ほとんど存在しないのです。今回のE3において、このような声を発するような人種を心をつかむようなソフトを用意できす、まったく味方につけられなかったことこそが、PS3の最大の失敗でしょう。