ニンテンドーDS、中学教材に活用

産経ニュース

 任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を使った英単語学習の授業が21日、京都府八幡市の中学校で始まった。反復学習による基礎学力向上を目指し、ゲーム機を“道具”として使う試みで、昨年度の研究授業で生徒の語彙(ごい)数が5カ月間で以前の4割前後増える効果が確認されたため、市教委は今年度、対象を市立中2生全員に広げることにした。


京都・八幡の中2生全員 英語の語彙数、4割増 
 昨年度の研究授業では、中3生49人が昨年9月から5カ月間、授業冒頭の約10分、ゲーム機と向き合って英単語の学習に取り組んだ。上智大文学部英文学科の池田真准教授が研究授業の実施前後の生徒の語彙量を調査した結果、1グループ24人の平均語彙数が1025から1386(361語、35.2%増)、別グループ25人の平均も1013から1436(423語、41.8%増)と増えたことが分かった。


 市教委は今年度、モジュール学習(短時間の集中的学習)が毎日行えるよう特設教科時間「総合基礎科」を新設。総合基礎科の時間を使い、全市立中2生約600人を対象に、DSソフトを使って英単語を中心に基礎学力向上を図るとともに、指導計画や学習方法などの開発にも取り組む。


 この日は市立男山東中学校で総合基礎科の授業が教育関係者らに公開され、2年生122人がDSソフトを使った英単語学習に取り組んだ。文科省の新教育システム開発プログラム「学力向上サミット」を主宰する陰山英男立命館大教授も視察し、「スピード、テンポ、タイミングがそろい、脳を心地よくさせることは学力向上につながる。生徒たちの様子を見ていると、3倍近く集中しているように見え、学習密度は濃いと感じられた」と話した。