全米で「Wii」人気過熱 各地に行列

http://sankei.jp.msn.com/entertainments/game/071220/gam0712202319000-n2.htm

 クリスマスを前に、世界最大のテレビゲーム市場の米国で任天堂の家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」の人気が過熱している。全米の玩具店では、ライバルの米マイクロソフト「Xbox360」とソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション(PS)3」が山積みなのを横目に、品薄のWiiを求める行列ができている。


配送車を追跡
 ニューヨーク・マンハッタンの任天堂ショップ前には毎朝、開店前に数百人が並ぶ。女子大生スーザン・ホッジさん(18)は「他の家電量販店はどこも売り切れ。どうしても冬休みまでに欲しかった」と話した。


 Wiiは約250ドル(約2万8000円)と比較的低価格なことに加え、コントローラーを振り回す簡単な操作が受けている。米紙によると、配送車を追い掛けて入手を交渉する人まで登場。オンライン競売サイトのイーベイでは300ドル以上の値が付いている。


得したソニー
 米調査会社NPDグループによると、米国での今年1−11月の主要ゲーム機の販売台数は、Wiiが約490万台、Xbox360が300万台半ば、PS3が約180万台。ただ、11月には値下げしたモデルを投入したPS3が前月の4倍近くも伸びた。


 品薄のWiiの購入をあきらめた人たちがPS3に流れたとみられ、ソニーのストリンガー会長は「Wiiの供給不足は好ましい」と思わず本音を漏らした。

増産には消極的
 任天堂は来年3月までの世界の年間販売台数を当初の1400万台から2度引き上げ、1750万台に増強。現在は月産180万台規模だ。専門家は、需要を満たすには供給ペースを2倍に引き上げる必要があるとみており、供給不足で任天堂が逃す売上高は最大13億ドル(約1470億円)との試算もある。


 だが、任天堂はこれ以上の大幅増産には消極的だ。1990年代後半にバンダイが世界で大ヒットした携帯液晶ペットゲーム「たまごっち」の大規模増産に踏み切ったが、その後ブームが終息し業績不振に陥ったのは記憶に新しい。


 任天堂は来年1月にWiiと交換できる整理券を販売、顧客がライバルに逃げるのを少しでも抑えようとしている。(共同)